良書を読み返す。

最近読んだ良書を読み返しておりましたら。
たいへん感銘深い文節に出会いましたので。
ここに抜粋させて頂きます。
一度目の読書で。
なぜ自分がこの部分を読み逃していたのか。
いやきっと読んではいるのでしょうが。
全く引っ掛りませんでした…(汗)。

なるほど。
来るべき春から夏にかけて。
本棚の本をもう一度読み直してみようと決意を固くしたのでありました。



世の中に古典と呼ばれる本がある。
これは何度も何度も読み返され。
時代を経ているうちに残った本のことである。
例えばシェイクスピアは彼が生きていた時代においては。
単に比較的人気のある一人の劇作家にすぎなかった。
(中略)
ところがそれから二、三百年経ってみるとどうだろう。
シェイクスピアは異質なのである。
断然ぬきんでているのである。
(中略)
あなたは繰り返して読む本を何冊ぐらいもっているだろうか。
それはどんな本だろうか。
それがわかれば、あなたがどんな人かよくわかる。
しかしあなたの古典がないならば。
あなたはいくら本を広く、多く読んでても私は読書家とは考えたくない。
まず、二、三年前に読んで面白かったと思うものを片っぱしから読み直してみられるとよい。
そして何冊か読み直して、おもしろかったそれだけをとっておき。
また来年か再来年によみかえしてみるのである。
そうしつづけばあなたの古典ができ、いつの間にか読書済が鋭敏になっており。
本物の読書家の仲間に入っていることになるであろう。


引用元:知的生活の方法(渡部昇一)65〜68頁より抜粋

知的生活の方法 (講談社現代新書)

知的生活の方法 (講談社現代新書)