七連休を終えて…。

polepole_tea2010-05-06

七日間すべてが快晴であった休暇を振り返り、私に取ってこの休暇はひと言で表現すれば「毎日が冒険」でありました。初めての場所を訪れること、新しく花の名前をひとつ憶えること、登ったことのない山道を登ること、飲んだことのない湧き水を飲むこと、山で会う人々と言葉を交わすこと、仲間と過ごし新しい一面を知ること、自転車とランニングでは風景が違うことに気がつくこと、非日常の世界で日常の幸せさを痛感すること、そして冒険の帽子と冒険のメガネと一緒に冒険すること…等。
あらゆることが私にとって冒険でありました。どこか遠くへ旅に出たとか、泊まりがけでどこかにいったということは一切ありません。すべて日帰りで一日一日を冒険しました。

東海自然歩道は東京八王子から大阪箕面までの1697キロに及ぶ自然歩道ですが善峯寺からポンポン山を越えて摂津峡までわずかの一部の距離ですが訪れてみたとき、高槻駅からバスで数分でこんなに素敵な温泉街があるんだと本当に感動したことや、GWというのは体育会系にとっては試合の日程が沢山組まれていて、あらゆる運動公園などで大きな試合が行われ、無心にサッカーボールを追う高校生たちがすごく羨ましく思えたことや、運動公園からの帰り道に男子生徒がアクエリアスのペットボトルを片手に少し距離をとりながら女子生徒とふたりで駅までの道のりを歩く姿に胸がキュンとなったり、愛宕山系竜ヶ岳から下山途中にすれ違ったおじさんに「シャクナゲは全然まだですよね?」と話しかけられてどこのシャクナゲか分からなくて月輪寺に天然記念物のシャクナゲがあることを初めて知ったり、そのおじさんが「さっきおばさん3人を竜ヶ岳の登山口まで案内したけど登って来てるか心配やから下山ついでに見てきてな。」とお願いされ、しばらく下山するとご年配のお三方が必死であの険しい竜ヶ岳を登ってくる姿を目の当たりにして「さっき案内してくれたオジサンが心配されてたけど、お若い三人組だったので安心しましたよ。」とお声がけすると、愛宕山に響き渡るぐらいの大声で「あんたらに比べたら全然歳いってるがな」と大笑いで笑ったあの元気さに出会い、打上げの最後に焼きおにぎりを注文したら大将が忙しくなってきて「焼きおにぎりひっくり返して。」と言われたバイトの女の子は手でひっくり返していいものか箸を使うべきか四苦八苦してる姿にほくそ笑んでみたり、さっき950米級の竜ヶ岳でひとりでおにぎりを食べているトレイルの女性を見かけ、やっとの思いで下山して嵯峨嵐山駅の前を歩いていたら、竜ヶ岳でおにぎり食べた人が今度はロードバイクに寄り添ってまたおにぎり食べてて、それを僕らに見つかって恥ずかしがって愛想笑いしてくれたり、何気なくぶらりと自転車の旅に出かけたら、ツツジや菜の花を見ているうちに気がついたら走行80キロの冒険になっていたり、友人の実家がある懐かしい駅を探しに山城大橋を渡ってみたら、間違えて山城青谷駅に到着してみたり、あるいは始発で山に出かける生活を続けてみたら、高校の部活の人たちも始発で遠征に出かけている姿を駅で見かけてやけに応援したい気持ちになってみたり、金剛山に何度も登頂するとスタンプがもらえて表彰される金剛鍛成会の存在を知り、それは宗教的理由なのか健脚的理由なのかを真剣に考えてみたり、金剛山の山頂はまだ山桜が綺麗でここから下山して明日もまた同じ場所に立つことに心が折れそうになったときにこの山桜を見に来ると思えば遠くもないだろうと4時間の道のりを自分に言い聞かせたり、ダイヤモンドトレイルは実は六甲山よりも高い山々を次々にクリアしていくわけですが、その登り終えた時には必ず冒険の帽子の先端から大量の汗が滴り落ちるので、あっこれは昨日飲んだビールだと思うことに決めたり、湧き水を手で掬い飲み、おにぎりを鷲掴みにして食いながら山を登る姿にどんどん自分が野生化することに妙に納得してみたり、ダイトレ後半で唯一の自動販売機場所である滝畑の手前でハイドレーションの水が切れて脱水症状をビビリながらも自動販売機前にようやく到着した時は100円玉で冷えた水が買えるという文明の力に心底から感動してみたり、槇尾山でゴールまであと1キロという標識を見たときに二日間に渡って44キロの山道を一緒に歩いてきた二人の仲間との冒険もこれでもうおしまいかと思うとそれが悲しくて少し涙腺が潤潤してみたり、もうさんざん歩いて走って登って足もパンパンのはずがなぜか終りになるとさみしい気持ちのなるのは何故だろうと考えてみたり、槇尾山から南海バスのバス停まで行くシャトルバス乗り場で、岩湧山や行者杉でボクたちを追い越していったホンモノのトレイルランナーたちは、僕らが二日間かけて走破した45キロをたった一日でそれも7時間ほどで走破していたことを知って度肝を抜かれたり、なるほどボクの冒険はトレイルとハイキングと登山を足して3で割ったような冒険であったことにようやく気がついたり、でもそれはそれでかなり楽しかった、正直つらい階段もあり、膝裏という痛くなったことがない場所が痛くなったりもしたがそれでも本当にしんどくても楽しかった冒険であったし、なによりもこの快晴の空の下でたくさんの汗をかき、たくさんの新鮮な空気を吸い、仲間たちとの笑顔や道行く人達との会話やポッケに忍ばせた干し梅の味とともに、こうして無事に毎日の冒険ができたことに対して、実は心から満足しているし、そして周りの皆様にも心から感謝の気持ちでいっぱいでございます。


私たちは毎日冒険をしているのです。


そう、だって今日も冒険ですもん。
本を読み、仕事をし、自分の考えをまとめ、昼休みに走り、仕事仲間と談笑し、冷たい水を飲み、お土産を貰い、後輩の新しいヘアースタイルをいじり、窓から快晴の中に浮かぶ大阪城をみつめ、夜には冷えたうまいビールを飲む。これも立派な冒険だと思います。


寝起きから元気よく、山盛りの朝ご飯をほおばって、元気よくお家を飛び出し、一日を終えて、そしてお家に帰り、疲労を回復させ、また次の朝に元気よくお外に出て行く。
これが私の冒険です。七連休で一番学んだことは「毎日が冒険」ってことです。今日もまだまだ冒険ははじまったばかり。今日の冒険も時間を大切に一生懸命に前に進んで、そして明日もその次も毎日の冒険を懸命に過ごしたいと思います。



ここで一句。


僕なりの 冒険したよ 七連休