【号泣3部作】秘境絶景パタゴニア冒険レース激走600キロ。

さて春の号泣3部作のラストを飾るのは『秘境絶景パタゴニア冒険レース激走600キロ』のテレビ番組です。
南米チリの秘境パタゴニアで繰り広げられるレースですが、マウンテンバイクとカヤックとトレッキングで8日間で600キロを走破する前人未到の冒険レースです。まさに秘境アドベンチャーと言えます。このレースの醍醐味は4人一組で繰り広げられるわけですが、なんとそのチームには必ず女性が1名いることが条件になっています。これが意味するのは明らかに走力や体力の違う仲間と一緒にチーム一丸となって力を合せてゴールを目指すという非常に涙腺に刺激のあるルールとなっています。すなわち、体力を競うレースではなく、もはやチームワークを競うレースなんです。
日本チームは次の4名のチームです。ユウキさん27歳、若手の新進気鋭のセンスでコンパスを操りチームが進むべき方向を選択します。ワッキーさん28歳、笑顔を絶やさない紅一点です。クラタさん29歳、縁の下の力持ち的存在。田中さん43歳、プロのアドベンチャーランナーで山岳レース(たぶんハセツネ?!)での優勝経験もあり、豊かな経験でチームを牽引します。この4名がチカラをあわせ、まさに8日間不眠不休の状態で道なき道を切り開き、川を渡り、野山を切り裂き、昼夜を問わず、チェックポイントをひたすら目指すわけです。最初は体力も気力も抱負な4名ですが、レースが進むにつれ、次第に衝突しはじめます。ひとつはチームが進むべき方向性を誰が決めるのかです。チームにはコンパスと地図しかありませんから、自分たちで進む道を決めなければなりません。そこで若手のユウキさんとリーダの田中さんが衝突を始めます。でも仲間割れをしていたら当然レースにも支障をきたしてきます。船頭が多くてはうまくいきません。そしてまた紅一点のワッキーさんが徐々に体力を消耗し始めます。気丈にも大丈夫と繰り返し、気力だけで前に進もう、チームに迷惑をかけまいと必死にがんばりますが、肋骨骨折や低体温等、彼女の気力とは裏腹に多くの困難がチームを襲います。最初はこの3人が中心となって番組が編集されて、放映されていくんだと信じ込んでいました。でも結果はそうではありませんでした。

クラタさんという4人目の登場人物がいます。この人物はチームの縁の下の力持ち的な存在で、口数も少なく、寡黙にひたすらチームのために貢献する精神を持ち合わせていました。チームのしんがりを務め、示された方向へ文句も言わずにひたすら走り、そして体力的に劣るワッキーさんのザックをひたすら担いで運ぶわけです。リーダの田中さんと若手のユウキさんが衝突したときもクラタさんはひたすら暖かい目でチームを支え続けます。

結果、このチームは目標であった5位でゴールを果たします。そして私は感動しました。この番組の主役はきっとクラタさんであったことにようやく気が付いたのです。決して表立って見えない、でも確実にチームに貢献する、この献身的な人物がいてこそ初めてこのチームはゴールにたどり着いたのです。VTRを巻き戻してみてみました。すると、ブラウン管の端に写るクラタさんのMTBにはワッキーさんのMTBを牽引するロープが張ってあるのです。ザックを二人分担ぎ、MTBで二人分を引っ張り、その苦労をいとわない、そんな姿に本当に感動しました。

恐るべし、NHKBSプレミアム…。
泣ける番組をたくさん放映してくれます…。
http://www.nhk.or.jp/bs/